当事者にならないと
当事者にならないと分からないことはこの世の中にたくさん溢れている。
例えばわかりやすい物だと病気に苦しめられている人。
自分は骨折をしたことがないのでその苦しみは分からない。
けれど、松葉杖をついてゆっくりと歩いている人を見かける度に「大変そうだなぁ…」と思う。
誰が見ても「この人は脚を骨折してしまったんだ」とわかる病気もあれば、目に見えない病気もある。
その代表とも言えるのが "精神疾患" だろう。
人によって症状は様々で、身体が思うように動かず寝たきりの状態で過ごすこともあれば、特定の場所や状況が起きた時に限って発作が起きてしまうことなどもある。
"精神疾患" の多くは目に見えづらく、理解もされづらい。
実際、自分も過去には "精神疾患" である人の行動について理解できなかった経験がある。
どうしても「怠けてるだけなんじゃないか?」「過呼吸で動けなくてもしばらく休んだら大丈夫だろう」と考えてしまっていた。
しかし、当事者である人に対してその言葉を投げかけることは決してしてはいけない。
側から見たら大したことのない様子だったとしても、当事者はとても苦しんでいるかもしれないから。
軽々しく思ったままのことを口にしてしまい、相手を傷付ける可能性も十分あり得る。
実際、何気ない一言でかなり傷付けられたことがある。
「まだまだ頑張りが足りない」
「もっと努力したらいいのに」
そんな言葉を掛けられると自分なりの頑張りを認められていない気がして消えたくなってしまう。
その言葉を掛けた本人に悪気がないことも分かるし、勇気付けたい気持ちも分かるけれど、やっぱりそんなことを言われると落ち込んで立ち直れなくなってしまうのが怖いところ。
世の中にはいろんな人がいて、中には理解出来ないことだってたくさんあるけど、みんながみんな生きやすい世の中になればいいのになぁ。